前回、記事をアップしてから2週間ほどが経ちました。

この間に、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる状況は深刻度を増してきました。

もう少し「教育史研究者が自分のウェブサイトを持つ理由」について書こうかなと思ったのですが、今の状況のなかでしか書けないことを書いておこうと思いました。


例年、この2月から3月という時期は、資料調査や研究会、学会運営などで日本国内や台湾への出張が続くと同時に、年度末に締め切りが設定されている論文などの研究成果をまとめる時期でもあります。

ですが、研究会や各種会議がことごとく中止になり、図書館などの公共機関も臨時休館となるなかで、今年は出張の予定がすべてなくなりました。

出張の予定がなくなったからこそ、できること。

☑️論文を書きまくる

というと言い過ぎなのですが、いつも以上にじっくり資料や先行研究を読み込みながら、ゆっくりと思考しながら文章を書くことができているように思います。

夏休みの時期に資料調査に出て、秋から冬にかけて研究成果をまとめるという1年間の研究ペースが、今回は良い方向に向いたなと感じます。

ただ、今の研究段階は台湾総督府公文類纂や国立台湾図書館が公開している日本統治期の刊行資料など、オンラインで公開されている資料だけではフォローできないので、オフラインでの活動が制限されている状況が長く続くと厳しいです。

とはいえ、どこにも行けず、人と会うのも憚られるような状況は、自分の研究成果をまとめるには良い環境なのかもしれません。


自分の研究をまとめるということだけを考えれば、今の環境はむしろありがたいのかもしれませんが、もちろんそんな悠長なこともいっていられませんでした。

たとえば、僕が関わる学会では3月初旬に台湾で研究会の開催を予定していましたが、開催予定日の3週間前にやむなく中止の決断をしました。

半年ほど前から準備を進めてきた研究会ですから、状況を見極めるための情報収集に始まり、理事会への情報提供と検討の打診、理事会の決定が出てから関係各所へ連絡、会員への連絡と学会サイトへのお知らせ掲載などなど…

日々、状況が変化するなかでイレギュラーな対応を急いでしなければならなかったのは、なかなか大変でした。

ですが、この経験を経て、今、できることかなと思ったのは…

☑️学会運営業務のオンライン化

そして、あわよくば…

☑️大会や研究会のオンライン開催

後者は今すぐ実現というのは難しいと思いますが、下記の「日本教育工学会」のように、今回の大会自粛の動きを機に、実際に実行した学会もあって注目を集めていますね。

むしろ、学会運営のレベルでオンライン化を進めていくことで、ノウハウの蓄積と関係者のITスキルを向上させながら、後者へとつなげていくというのが良いのかもしれません。

こうした環境整備に時間を使うというのも、「こんな時期だからこそ、できること」なのかもしれないなと思っています。


上記の日本教育工学会の大会運営で使われていたのは、zoomというオンラインミーティングシステムです。

いや、今さら?」という印象のある方も多いのかなと思いますが、恥ずかしながらこれまでにzoomを使う機会もなく、周りでそうしたものを活用している事例を耳にしたこともありませんでした。

リンクを貼った日本教育工学会の大会運営に関する記事にも、「教育工学」に関する方々が集まっている場所だからこそ、こうした対応が可能だったと書かれていますように、普段からそういった環境に触れていないと、なかなかこうしたサービスに触れることはありません。

それが、今のような特殊な状況のなかで注目度が高まると同時に、未知のものに触れることのできる時間ができたことで、ようやく自分の周囲の仕事に導入する「機運」が生まれたように感じます。

そんなわけで、実際に使ってみると…

だいたいの会議、これで済むやん!

出席者がだいたい20人以下で、日本だけではなく台湾からも出席予定の方がいる場合、zoomで会議をオンライン化したほうが、圧倒的に効率的な気がしています。

大会をzoomで行う学会が出てきているぐらいですから、当たり前のように活用している方々も多いのでしょうけれど、こういう状況のなかで実際に使ってみて、その「便利さ」にようやく気づきました。


今のところ、ようやくオンラインミーティングの可能性に気づきはじめたところですが、ここから派生して…

☑️遠隔授業もやってみたい、かも?

という気持ちも湧いてきました。

今のところzoomを授業で使うには、大学でのデジタル環境や方法的な課題も含めていろいろと工夫・解決していかないといけない点がありそうなので、すぐにというのは難しそうですが、先行事例をいろいろと学んでみたいなと思っています。

感染拡大防止という目的のもと、教室での一斉授業の実施さえも憚られるような雰囲気があるなかで、授業のありかたを大きく考え直すきっかけが生まれつつあるように感じています。

こうしたことも、日々、目の前にある業務をこなしていかなければならない状況のもとでは、なかなか生まれてこないことだなと思います。

もちろん、そうそう時間的な余裕があるわけではありませんが、少しこうしたことにも時間を作って学んでみたいところです。


WHOが「パンデミック」を宣言するような「異常」な社会情勢を思えば、やらなければならないことはたくさんあるのかもしれません。

ただ、自分の専門性や業務能力の範囲でできること・考えられることというのは、今のところ、ここに書いたようなことぐらいしかありません。

それでも、これらのことは僕にとっては、こうした「日常ではない状況」だからこそ生まれた「変化」だと思いますし、そこからできることはまた広がっていくようにも思っています。

自分のできることを考えつつ、少し新しいことをできたらいいなと思います。